カラスの忌避剤とは?
ゴミステーションや庭、玄関や通学路など、カラスに荒らされたくない場所に設置したり、攻撃から身を守るために身に着けたりするグッズや噴霧剤の事です。
最近では、通販サイトでも数多くの忌避剤が販売されております。
なぜ逃げる? 鹿などの忌避行動との違い。
よく目にするトコロでは、乾燥したヒトデを砕いた物をバラ撒くと、そこには鳥獣が寄ってこないと謳った物です。
ですが、カラスと獣では、忌避行動の根本が違うと考えられているのです。
獣の類は悪臭によって近寄らず、カラスは視覚によって鳥に害を及ぼす【ヒトデサポニン】という成分を視認しているようなのです。
【ヒトデサポニン】は、鳥類に血友作用を及ぼします。
つまり、出血を止めるために必要な血液凝固能力が低下し、ほんの少しの外傷でも命取りになるワケですね。
体重約700gのカラスにとっては、たとえ少量のヒトデサポニンでも失血死のリスクは格段に上がる事になります。
カラスの驚くべき視力!
恐るべきはカラスの視力、自分にとっての毒の成分が見えているなんて、人間の視力からは少し想像できませんね。
しかし、カラスには人間には見る事ができない紫外線範囲のものが見えているという研究結果があります。
色も見え方も全く違うと言えるでしょう。
「ヒトデサポニンが紫外線を反射して、それがまぶしくてカラスが嫌がる」という仮説をたてた研究者もいます。
たしかに、ヒトデから抽出した成分そのものや、ヒトデ成分を塗ったシートなどにブラックライトを当てると、ボヤっとひかるのですが、カラスがまぶしそうにしている様子は窺えませんでした。
私も20年前に、数えきれないぐらいの実験を繰り返しました。
例えば、本物の肉と食品サンプルを並べた実験では、一瞬迷う事も無く本物の肉を必ず選びます。
どんなに精巧なサンプルを作っても、プラスチックはプラスチックとして見えているのでしょう。
ゴミ袋もあの程度の薄さならば、ある程度中身は見えていると思います。
黄色い袋は中身が見えづらいという人がいますが、カラスの行動を見ているとそれも違うと思います。
おそらく毒は毒として、その物が見えているのでしょう。
オススメの作り方!
用意する道具と材料
まずはヒトデですね。生でも乾燥したものでも構いません。
港などに行けばあちこちに落ちていますし、市販のカニかご等に肉か魚のアラでも入れておけば簡単に捕れる事でしょう。
量はいくら有っても構いません。余った分は完全に乾燥して保存しましょう。
そしてミキサー、捨てても良いつもりで、ヒトデ専用のミキサーにしてしまいましょう!
中古で充分です。
あと私の場合は工業用アルコール、85%の物を使用していました。
ヒトデサポニンは水でも抽出できると思いますが、水で抽出すると非常に腐敗しやすいのです。
あっというまに悪臭を放つのでオススメしません…
作ってみよう!
作り方は非常に簡単です。
生のヒトデを使う場合はミキサーに直接、大きさにもよりますが3匹ぐらいが良いと思います。
乾燥したヒトデの場合は、キッチンバサミなどでなるべく細かめに切ってからミキサーにかけた方が良いです。
ミキサーの3分の1ぐらいで良いと思います。
お好みですが、肉片が3~5mmぐらいに砕ければOKです。
そしてミキサーにアルコールを流し込んで、1~2日放置します。
放置しておくと自然に上澄み液ができます。
上澄み液を別な容器に取って、水で3倍ほどに薄めれば抽出液の完成です。
多少色は悪くなりますが下に溜まったオリまで利用したいならば、絞り袋などで絞っても大丈夫です。
残ったカスは、ザルなどに広げ乾燥すれば畑や庭に肥料として撒くことができます。
高濃度のアルコールで雑菌は死んでいますので、悪臭も放ちません。これがアルコール抽出の利点ですね。
《応用してみよう!》
おすすめの使い方は、100均の霧吹きを使った【スプレー式】です。
ゴミステーションでゴミ袋に直接スプレーすれば荒らされる事はありません!
あとはプラ系の折り紙やプラ板を好きな大きさに切り、たっぷりと抽出液をかけて乾燥、それをラミネーターでパウチしてキーホルダーにしたり、カバンにぶら下げるなどという使い方もあります。
自転車に付けるような反射板にスプレーして乾燥したら、クリアーのラッカーでコーティングするなんて使い方もあります。
グッズとして使用する場合には、静止状態ではなくなるべく動きのある部分に付けましょう。
アルコールが含まれていますので、人体に直接使用したり、火の近くでは使わないようにして下さい。
最後には必ず突破される?
残念なお話もしておかなければならないのが心苦しいのですが、カラスは非常に賢い鳥です。
例えばゴミステーションに上で作ったシートを何枚か設置したとします。
最初は、かなり遠くから様子を窺い近寄ってきませんが、毎日少しずつ距離を縮めてくるのです。
そして、自分に対して攻撃してこないという事を理解した時、またゴミ袋を荒らします…
私の実験では、だいたい1か月で学習します。
なので固定した形での使用では、必ず突破されてしまうのです。
ですが、ゴミ袋に直接スプレーしてしまえば、彼らにとってそれはもう毒まみれなワケですから荒らされる事はほぼありません。
なので【スプレー式】をオススメいたします。
まとめ
買えば高価なカラスの忌避剤も、ミキサーとアルコールを買ってしまえば安価で大量に作ることができます。
使い方にも様々なアイディアが生まれる事でしょう。
もし良い使い方を思いついたなら、私にも教えていただきたいと思います。
ぜひお試しを!
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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